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かつて日本には5万とも6万とも云われる城が存在したと言われる。実際にはただ柵で囲われただけの砦のようなものもあり、文書に残っているのみでその存在が証されたのではないものも含まれるが、それでも相当数存在していたことは確かだ。しかし、数多くの戦や藩主の転封の度に廃城になったり破却されたりとその数は次第に減っていき、江戸後期にはその総数およそ200(天守)。さらにその後の明治維新の廃城令や戦争、火災、天災を免れて現在もその姿を残しているのは12城(現存天守)しかない。それ以外の現在見られる城は戦後新たに再建復興されたもの。古くに廃城になったものは、現在では打ち捨てさられ忘れられ、その城跡すらもただの野山と見分けがつかないようなものも多いのだ。天守や城郭が往時のまま現存しているのは丸岡城、犬山城、松本城、彦根城、松江城、高梁城(備中松山城)、丸亀城、姫路城、松山城、高知城、宇和島城、弘前城の12城。